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取材協力: 株式会社 丹精堂 http://www.tanseido.co.jp/ |

「はな:創業80年以上の会社というのは熊野筆メーカーの中でも老舗ですね。」
「山田社長:はい。祖父が現役の頃になりますが、私どもの品質が認められたなと実感した出来事は昭和46年に池田勇人元総理(広島出身)の紹介で昭和天皇・皇后様に筆を献上した事ですね。」
「はな:その頃から熊野筆は筆のブランドとして有名だったのですね〜。」
「はな:でも、どうして熊野で筆づくりが盛んになったんですか?気候など土地特有の特色があるんですか?」
「山田社長:熊野は原料の産地でも消費地が近いわけでもないんです。この地域は昔から農地が少なくて、多くの人が農閑期に出稼ぎに出ていたんですよ。出稼ぎの帰りに墨や筆を行商しながら熊野に帰ったのが始まりで熊野と筆の縁ができたといわれています。」
「はな:それにしても日本の生産量の8割を担っているのは凄いですよね?」
「山田社長:明治時代に小学校ができて書道の授業が始まると筆の需要は一気に伸びたんです。戦後の一時期に書道の授業がなくなりましたが、昭和33年に再開されるとまた筆の生産が盛んになりました。ただ、他の産地では工業が盛んになり筆作りがおこなわれなくなり、産業や工業に縁がなかった熊野で筆づくりが盛んになったのです。」
「はな:熊野が産業的に発展しなかったからこそ、筆づくりが根付いたんですねぇ。」
「はな:熊野でメイク用の筆が作られるようになったのはいつごろからですか?」
「山田社長:化粧筆の生産が盛んになったのは戦後です。先ほども少し触れましたが、戦後しばらく書道の授業がなくなり書道用の筆の生産が減ったのです。熊野には筆の職人が多くいたのでその間に化粧筆を作るようになりました。書道の授業が復活してからも大手化粧品メーカーからの委託を受けて化粧筆の生産は続けていたんです。」
「はな:じゃあ、熊野筆と知らずに使っているものもあったかもしれませんね?」
「山田社長:そうですね。当社も有名ブランドの化粧筆を長年作ってきましたよ。」
「はな:基本的な事で恐縮なんですが、ブラシの良さってどこで見分けたらいいですか?」
「山田社長:私はブラシの良さ=素材の良さだと思います。当社では素材の原料は1種類を100%で使用することにしています。それぞれの素材は混ぜない100%同一種類の毛でつくられた筆にこだわりますね。」
「はな:同じ熊野筆でも原料によって肌触りがぜんぜん違いますよね?」
「山田社長:イタチ、リス、ヤギ・・・・それぞれ特長がありますからね。柔らかい肌触りなら「灰リス」、コシが強くて毛量の多いものなら「山羊」など好みの肌触りと用途で皆さん選ばれていますね。リップやチークブラシでは「イタチ」も人気があります。」
「はな:私が美容院でうっとりしたブラシは確か「灰リス」のものでした。ほんとうに柔らかい肌触りでびっくりしました〜♪」
「はな:御社独自のこだわりってありますか?」
「山田社長:そうですね、当社では製品の最終段階で強力紫外線殺菌システムを導入しています。」
「はな:紫外線ってあの日焼けの原因の?UVですか?」
「山田社長:そうですよ。強力な紫外線をあてることによって出荷前の製品を完全殺菌できるんです。」
「はな:どうして紫外線なんですか?コストがかからないとか?」
「山田社長:逆にコストはかかります。おまけに手間もふえるし。でも、お客様の肌に直接触れる製品ですから安全性では万全を期したいのです。さらに、強力紫外線殺菌なら通常行われているガス滅菌と違って産業廃棄物も出ないんです。」
「はな:なるほど〜。衛生面でも優秀で環境にもやさしいシステムなんですね。」